少子化の原因は若者が結婚しないからだ──それを裏づけるデータがある。総務省の調査によると、50歳時点で一度も結婚したことのない割合を示す「生涯未婚率」は急速に上がっている。1980年までは男女ともに5%未満だったが、1990年代以降に急増。2015年の国勢調査では男性の23.37%(4人に1人)、女性の14.06%(7人に1人)が生涯未婚となっている。
「興味深いのは、職業や年収によって生涯未婚率は大きく変わってくることです」──そう語るのは、ベストセラー『言ってはいけない 残酷すぎる真実』など、数多くの著書を持つ作家の橘玲氏だ。新刊『専業主婦は2億円損をする』でも紹介している職業、年収と結婚の関係を示すデータについて、橘氏に聞いた。
橘:まず「職業」からみていくと、男性の正社員はどの業種でもまんべんなく結婚しているのに対し、女性の正社員の生涯未婚率は、テレビ業界の77%を筆頭に、新聞・出版などマスコミは50%、広告やIT業界も30%以上となっています。また比較的高給で安定しているとされる電力会社やガス会社の女性も3人に1人は結婚していません(2012年総務省統計局「就業構造基本調査」より)。
都市伝説のように「テレビ局で働く女性は結婚できない」といわれていますが、これは正しいと同時に間違っています。経済的に自立している彼女たちは結婚できないのではなく、結婚しないのです。