為替相場を動かす要因は様々ある。今回はFX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、「レパトリエーション」(通称・レパトリ)が米ドル円相場に与え得る影響について解説する。
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米ドル円相場の見通しについて考える際、「レパトリエーション」が1つポイントになると私は考えています。
レパトリエーションとは、企業が海外の市場で得た利益を国内に戻すことを指します。日本企業が海外にある資金を日本国内に戻す際、外貨を日本円に両替する必要がありますので、レパトリエーションは円買い、つまり円高要因になり得る、というわけです。
日本企業の場合、3月の決算期に合わせて、レパトリエーションを行うことが一般的ですから、例えば1月末時点でドル円相場が円安方向に動いていたなら、レパトリエーションが3月にかけて米ドル円相場を円高方向に押し下げる材料となる可能性も考えられます。
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ただし一方で、決算時期にそもそもレパトリエーションがあまり行われない可能性も考慮すべきでしょう。米ドル円相場が1ドル=80円を割るほど円高が進行した時代、日本の輸出企業は為替の影響に大変苦しみ、対応策として日本国内に資金を戻さない“独立採算制”を採用する企業も増えたからです。