実際にここ最近、レパトリエーションは以前と比べて減少傾向にあるので、今年も3月にかけてレパトリエーションが円高要因にならない可能性も想定されます。
また、レパトリエーションの影響が相殺されることもあります。昨年末、アメリカで大型減税の法案が可決され、2018年から法人税が21%に減税されることが確定しました。
この決定により、アメリカ企業が海外に留保している資金を、アメリカ本土に戻し始めることが想定されます。
アメリカ企業が海外の資金を本国に戻す場合、外貨を売って米ドルを買うことになりますので、こちらはドル買い要因になります。
そして、もし日本企業とアメリカ企業が同時期に資金を本国に戻すことになれば、円買い要因とドル買い要因が同時に生まれて、綱引きのような状態になり、円買いとドル買い、それぞれの影響が相殺される可能性も考えられます。
いずれにしても、企業の動きについて意識しておくことは、FXのトレードをする上で1つポイントになると私は考えております。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。