Bさんの同期も御多分に漏れず官僚や弁護士、コンサルタントや商社マンになったわけだが、Bさんはあくまでも東大に入ったことは単なる人生のステップであり、バイト人生も含めて東大卒の人生の一つであると悟ったと言います。
「一応、バイト先で僕が東大卒だと分かっても一目置いてくれるわけですよ。だから、バイトの中でも頼られますし、社長も『まさかの東大出身者がウチにはいってくれるとは!』と喜んでくれて、案外給料は高くしてもらっています」
Bさんに対し、「東大を出て、友人は皆高給取りになっていることをどう思いますか?」と聞いたら「別に何も気になりませんよ。僕は今のバイトでちゃんと楽しく生きていますから」と語りました。
ネットでは「高学歴=エリート」説が蔓延している感もありますが、実際にその学歴を現在の仕事に活かしていない人も幸せに生きている現状があるので、あんまり「学歴」を発言内容に紐づけないでいただければ、とも思います。
「東大まで行って、なんであんな会社に入ったの!」
ちなみに、私は大学3年生の夏、某コンサルティング会社の「サマージョブ」に採用されました。その時採用された8人が4チームに分かれて様々なことを調べたのですが、私が組んだ相手は東大の大学院生の女性でした。彼女と一緒に調べたのは「東大生で意外過ぎるキャリアを辿った人の人生とは」でした。
彼女と二人で本郷キャンパスへ行き、卒業者名簿をめくりながら「東大生ながら意外な会社にいるね……」と思った方に連絡を取りました。ほとんどは取材拒否をされたのですが、一人だけ取材を受けてくれた方がいました。といっても、その方のお母様です。