退職金との相性は?
老後資産の“虎の子”である退職金の有効活用にも新制度は適している。
昨年まで老後資産形成のための“最強のツール”として注目されてきたのが、加入者が毎月一定額を60歳になるまで拠出する「iDeCo(個人型確定拠出年金)」だった。拠出する全額が所得控除の対象になるため、節税メリットは非常に大きい。
だが「60歳までしか積み立てられない」という弱点もある。60歳以降は新たな掛け金を投入できないため、退職金の投資先としては現実的ではなかった。
その点つみたてNISAなら、年齢の制限はない。また、退職金を一気に運用すると損失が出た場合の老後計画への影響は甚大だが、少額を安定的に積み立てるこの制度なら大きく失敗することもない。
急な入院や通院で想定外の出費が必要になったら?
そうした緊急事態にも、いつでも払い出しができるつみたてNISAは対応しやすい。前述のiDeCoも老後資産形成のための投資優遇制度だが、払い出しができるのは原則60歳以降。50代の急な出費には充てられない。
※週刊ポスト2018年1月26日号