現在は専業主婦の妻でも過去に働いた経験があれば“申請するともらえる年金”があるかもしれない。「年金博士」として知られる社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。
「厚生年金はひと月以上会社で加入したことがあればもらえます。1年間しか働いていなくても年2万円ほど受給できるので、“もらいそびれ”は避けたい。受給資格がある人には、45歳と59歳の時点で郵送されてくる『ねんきん定期便』にその旨が掲載されますし、受給開始月の3か月前には年金請求書が届く」
過去に勤務経験があるのに請求書が届かない場合は、最寄りの年金事務所に問い合わせをしたほうがよい。また、繰り下げとは別に「特別支給の老齢厚生年金」も忘れてはいけない。
「年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられた際の“激変緩和措置”で、男性は1961年4月1日以前、女性は1966年4月1日以前に生まれた人で一定の条件(※注)を満たしていれば受給資格がある。
【※注/老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があり、厚生年金保険に1年以上加入していた人】
この特別支給の老齢年金は繰り下げができません。手続きを忘れると受け取れないだけで何年経っても額は増えない。該当者には『年金請求書』が郵送される」(北村氏)
夫婦で協力して「得する年金」のもらいそびれがないようにしたい。
※週刊ポスト2018年2月9日号