テクニカル分析に「ダマシ」は存在しない?
では、最後にもう1つだけポイントをお伝えしておきます。
ドルは基軸通貨で世界の貿易に関わる重要な通貨ですが、1月24日に米国財務長管による「米国の貿易は、ドル安が良い」とのコメントがありました。その後、トランプ大統領は、「強いドル高、再交渉条件によりTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加も」といったことをテレビインタビューにて答えました。「貿易戦争をするわけではない」とのコメントもあり、原稿執筆中には108円台から、109円台まで回復しています。
もう少し具体的にお伝えすると、ドル円相場は1月25日に1ドル=108.45円まで下落した後に109円台まで上昇しましたが、こちら108.45円の価格もフィボナッチの法則に従った価格でした。
今回の場合、ポイントとなる価格は昨年9月8日の安値である、1ドル=107.31円と、今年1月8日の高値である1ドル=113.40円です。こちらの上昇幅6.09円に対し、76.4%押し目の価格が1ドル=108.75円です。
計算値と実際の価格に誤差はありますが、目標価格を知っているのと、知らないのとでは、トレードの利益率が大幅に違うと思います。
いずれにしても大切なことはしっかりとテクニカル分析を学び、そしてその法則を信じてトレードをすることだと私は考えています。また、1つだけでなく、相場状況に合わせて複数のテクニカルツールを確認し、相場を見極める精度を高めることも大切です。
それがきちんとできたならいわゆる「ダマシ」というものにも引っかからなくなります。というよりも、私としてはそもそもテクニカル分析には「ダマシ」なんてものは存在しないと考えています。もし相場がテクニカルツールのサイン通りに動かなかったとしたら、それはダマシではなく、単にテクニカルツールを使いこなせていないだけではないでしょうか。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。