企業概要
半導体洗浄装置の世界トップメーカーです。
特に洗浄装置では世界で圧倒的ポジションを構築しており、「枚葉式洗浄装置」で40%、「バッチ式洗浄装置」で72%のシェアを誇ります。
足元の業績も好調です。高機能化が進むスマートフォンやIoTに絡んだビッグデータ処理が大量に行われるサーバー向けを中心に、メモリ、ロジック、ファウンドリなどで堅調な設備投資が活発化しており、その恩恵を享受しています。
同社は豊富な受注を踏まえ、通期業績を上方修正。すべてのセグメントが引き上げられ、年間配当金も13円増額。想定を超える利益増となっています。警戒されていた最大顧客TSMCの設備投資抑制による失速懸念も、ふたを開ければTSMC以外の顧客からも旺盛な受注を確認し、目立った悪材料はなくなりました。総じて良好な事業環境にある中で、TSMCは設備投資を回復させており、受注残高のさらなる積み上がりと短中期的な利益拡大が見込まれる状況となっています。
半導体メーカーを中心に顧客企業の設備投資が活況を呈している非常に良好な事業環境の中、来期も堅調な収益増が見込まれます。
注目ポイント
活況を呈している半導体メモリ市場では、2017年にSamsungが大規模投資を実施し、その恩恵を享受する形で半導体関連装置市場が盛り上がっていました。この点、同社は、東京エレクトロンなどに比べてSamsung向けのプレゼンスが〔相対的に〕低いことから、株価も出遅れ気味でした。ところが、TSMCの設備投資が回復に向かっていること、またSamsungの投資が今年、昨年に比べて減少する可能性を想定すると、株価は一段高みを目指す可能性も高まってきたかと思います。
(また、同社はスマホ向けで需要拡大が見込まれる中小型有機ELに特化した新装置の販売を開始しました。有機ELディスプレイの量産で先陣を切るSamsung向けのプレゼンスを高めることに繋がりそう。株価指標PER16倍は、中期的なプレゼンスの高まり期待を入れると割安と思います。)
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ)1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。