【1位】JR中央・総武線、【2位】JR宇都宮線・高崎線、【3位】東京メトロ千代田線──これは「遅延の多い首都圏路線」のベスト3である。
昨年12月、国交省が史上初めて首都圏45路線の遅延率をランキング形式で公表し、話題を呼んでいる。同省によれば、公表の理由は、2020年の東京五輪に向けて、「各鉄道事業者の遅延の可視化」を目指したこと。
「首都圏は今や世界中から人が集まる一大経済圏です。2020年の東京五輪に向け、海外の観光客数が右肩上がりの中、大動脈たる鉄道網のスムーズな運行は国交省にとってもクリアしなければならない火急の問題でした」(全国紙記者)
同省は「平日の遅延証明書の発行状況」「遅延の発生原因」「鉄道事業者の遅延対策の取組」を分析。各路線で何分程度の遅れが多かったかを「10分以下」「10~30分」「30分超」に分けて発表した。
ランキングを見ると、“世界一時間に正確”と称される日本の鉄道が、意外にも遅延だらけであることがわかる。上位3路線は、いずれも平日の平均遅延日数が18日を超えており、ほぼ毎日遅れていることになる。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんが解説する。
「1~3位は、10~30分の遅れがいずれも9回以上と特に多い。10分以下の遅れは、駆け込み乗車やドアに物が挟まったなどの理由がほとんどですが、10分を超える遅延は、小さな遅れに加えて非常に混雑する区間があることが要因だと考えられます。1位のJR中央・総武線は、錦糸町~両国間で特に混雑することが遅延の大きな理由でしょう。
2位の宇都宮線・高崎線は、相互直通運転している上野東京ラインや湘南新宿ラインを通って、JR東海道線など多くの路線が乗り入れていることが影響しているとみられます」