定年退職後に継続雇用を希望した人にも同様の“差”が生まれる。前出のサラリーマンが、給料が半分になる月給20万円、ボーナスなし(年収240万円)の嘱託社員を5年間勤めて65歳で無職となるとする。「任意継続」を選んだ場合は、28万円より安い20万円の月給をベースに保険料が算出され、年間27万7440円となる。益山氏が解説する。
「そこで国保を選んだ場合、保険料は年間約32万円で『任意継続』よりも4万円以上も高くなります。国保は夫婦の場合、妻が無収入でも保険料がかかってしまうので、なかなか逆転しません」
とはいえ、この任意継続の“優位”も1年経つと変わる可能性がある。益山氏のいう“2度目の判断”は、「退職の翌年度末」だという。
「退職して1年経つと、多くの人は収入が大きく減り、前年の収入で算出する国保の保険料の方が安くなる可能性がでてきます。市区町村の担当窓口で計算をしてもらうことができるので、その結果、保険料が逆転していれば切り替えの判断が必要です。任意継続は最長2年までで、脱退の手続きは必要なく、保険料を払わなければ自動的に資格喪失となります」
機を逃さずチェックしたい。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号