では、ソフトバンク株は初値がついた後も値上がりするのか。私は、“しばらくの間”は上昇していくと予想している。2兆円の調達額から推測すると、ソフトバンクの上場後の時価総額は7兆円規模となり、いきなり日本の上場銘柄の時価総額トップ20には入ってくるはずだ。
そうなれば、外国人投資家をはじめとする機関投資家はポートフォリオにソフトバンク株を組み入れざるを得なくなる。そのため、上場後の半年ぐらいまでは、機関投資家などの買いに支えられた好調な需給が続いて株価は上昇し、その間に初値の2-3割ぐらいは値上がりする可能性があると見ている。
だが、その後は不透明感が漂う。大手3社に加えて、楽天が携帯電話事業に本格参入を表明してさらなる競争激化が確実視され、携帯電話業界の経営環境は厳しさを増すことが予想されるからだ。
孫正義氏(SBG会長兼社長)のことであるから、ソフトバンクの上場に合わせてお得感のある株主優待など、人気をつなぎとめる策を打ち出して株価を維持しようとする可能性は十分考えられるが、ひとまずは決算期の3月末までに2~3割ぐらいの儲けで利食いするのが得策ではないか。