仮想通貨への注目度は日増しに高まっているが、一方でそのリスクを指摘する記事も目立つようになっている。例えば、日本経済新聞は2月11日付で「仮想通貨、中国リスク 抜け道役のコインに疑惑、マネー流入細る懸念」といった見出しで、仮想通貨がさらに下落する可能性を指摘している。中国監督管理当局が抜け道をふさいでしまえば、「ビットコインなど仮想通貨の価格にはさらなる下押し圧力がかかりかねない」という分析だ。
こうした分析を支持するような記事を、中国マスコミも発表している。人民日報は2月12日、「“仮想通貨”投機熱は既に監督管理層の注目を集めており、熱は急速に冷めることになるだろう」といった見出しで、当局の取り締まり強化を伝えている。
人民銀行など7部門は昨年9月4日、仮想通貨取引所に対して、中国におけるあらゆる取引活動を徹底的に停止するよう行政命令を出しているが、その後も一部の投資家は海外のインターネットプラットフォームを通して取引を続けてきた。同時に、国内の一部の機関、もしくは個人が組織的にいわゆる仮想通貨取引や場外での取引を行っており、マーケットメイクや担保を与えたりするサービスを提供していた。これは実質的な仮想取引所を通した取引であり、現行の政策規定に明らかに違反していると説明している。
中国金融当局は虚偽(疑似)・新規仮想通貨公開(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)活動にはリスクがあると警告している。また、中国インターネット金融協会は、「投資家は海外におけるICOや虚偽(疑似)ICOプラットフォームにおけるリスクを明確に認識すべきである」とも警告している。そのうえで今回は、「中国は海外における虚偽(疑似)仮想通貨取引プラットフォームに対しても監督管理を実施することになるだろう」などと伝えている。