これを見て「なんでこんなもののために並ぶんだろうね……」と若干見下すようなスタッフもいましたが、私は「これが人間なんだ」ということを分かっていました。彼は世の中の上澄みのようなところしか見ていない人生を送り続けてきたのでしょう。だからこの行列が信じられなかったのです。同様に、現在、私は記事を編集する仕事をしていますが、「東京のIT好きなホワイトカラー」の視点だけではいけないと自らを戒めて記事を送り出しています。
もしかしたらお子さんが中学受験に失敗し、地元の公立中学に行くことになるかもしれません。でも、公立中学に行くと様々な家庭環境を見ることができますし、それこそ「運転免許試験場」以上に多種多様な人と日常的に接することになります。そうすることによって「人間」を理解できるようになるのは、人生にとって必ずプラスになります。長い目で見れば公立中学は悪い選択ではないと今になってしみじみと感じます。