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国内2万店突破 セブン-イレブンが「王者」に君臨する理由

人々のライフスタイルを変えた商品の数々

 実際、セブンが作った数々の商品は多くの人々のライフスタイルを変えた。その代表格が「おにぎり」だ。

「当時は男性が外で働き、女性は専業主婦として家庭を守るのが当然の時代。そんな中、おにぎりをお店で買うなんて、料理を手抜きしていると見られる社会風潮が根強くありました。開発現場からも反対意見が出たようですが、鈴木前会長は、『家庭では出せないおいしさと品質を実現できれば、必ず売れる』と反対を押し切り、開発に踏み切った。採算を度外視して開発を行うこともあったようです」(鈴木さん)

 そうして誕生したおにぎりが1978年に発売されると、多くの人がこぞって買い求めた。今も年間17億個以上売れるロングセラー商品となり、女性がコンビニでおにぎりを買っても「手抜き」と批判されることもない。

 今はどこのコンビニでも見かける「おでん」も同様だ。開発段階でなかなか味や形が整わず、おでん開発に追随した他社が次々と脱落するなか、セブンはだし用のかつおぶし作りから始めるという徹底ぶりだったという。

「当時、おでんは総菜店で買うものであって、コンビニで買うなんて発想は誰も持っていなかった。セブンは、おでんとコンビニという一見なじまなさそうなものを、今やコンビニの年間アイテムにしました」(鈴木さん)

 また、コンビニに化粧品が置いてあるという今では当たり前の風景を作ったのもセブンだった。

「当時、主婦やOLの間では、化粧品はきちんと百貨店や薬局で買ったものを使うべきで、コンビニの化粧品は恥ずかしくて使えないと敬遠されていました。しかしセブンは、誰もが知る大手化粧品メーカーのコーセーと組んで、独自のスキンケア用品『雪肌粋』を開発することで、そうしたイメージを払拭したのです。『雪肌粋』は安価で品質がよいと評判になり、2004年の発売以来好調な売れ行きを続けています。

 また、それまでコンビニのメインの客層は若い男性でしたが、この独自の化粧品開発で女性客の取り込みにも成功しました。女性の社会進出が少しずつ進む中で、働く女性のニーズにもマッチしたのでしょう」(鈴木さん)

※女性セブン2018年3月1日号

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