「多種多様な投信のなかで、守りながら増やしたい老後資産の運用なら、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)など、基本的に異なる値動きをする投資先に分散されているバランス型の投信が比較的安心でしょう。投信を保有する場合、信託報酬と呼ばれる運用コストが年率1%以上かかるものも少なくないので、少なくとも年3~6%程度の利益を目指して運用されているものに目を向けたい」
そう話す吉井氏が具体的に挙げるのが、(1)JPMベスト・インカム(年1回決算型)、(2)野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型、(3)スマート・ファイブ(1年決算型)の3つのファンドである。
(1)は世界の債券、株式、REITなどを投資対象に市場環境の変化に応じて機動的に組み替えることで、基準価額の騰落率は3年間でプラス9.6%、1年間でプラス6.5%となっている。(2)は国内外7つの資産を組み入れて3年間でプラス12.7%、1年間でプラス6.9%。(3)も3年間でプラス5.7%、1年間で4.0%のリターンとなっている。
「いずれも短期的な下落リスクは考えられますが、景気が一巡する5~7年の長期保有をすれば年3~6%程度の利益が期待できる」(吉井氏)
預けっぱなしなのだから、保有している間に支払う信託報酬などのコストは低ければ低いほどいい。『ほったらかし投資術』(朝日新書)の著者で経済評論家の山崎元氏のアドバイスだ。
「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスなどのインデックス型投信は信託報酬が0.2%で、比較的低コストで運用できる。“ほったらかし投資”の基準は運用コストをかけないことです」
※週刊ポスト2018年3月9日号