田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国本土アップル関連急騰、部品メーカー受注回復へ

 駆動用ICについては、アップル(ただし、実体としては生産を請け負う鴻海精密工業)がテスト用機械を大量購入したことで、テスト時間が長引いている。

 受動素子については品不足が2年目に突入している。1月は春節休暇のため生産時間が減少している。主力供給先の国巨、華新科などは、第一四半期の在庫水準は最低ラインとされる45日を下回った状態である。3~4月にかけて本土大手部品メーカーが買付を増やすことから、積層セラミックチップコンデンサ(MLCC)、Chip Resistorなども品不足になるだろう。

 ただ、ノッチについては生産にかかるリードタイムが長いことから品不足が懸念されているが、ほかの2つほどには緊急度は高くないようだ。

 投資家はアップルのiPhone Xの不振にばかり気を取られているが、スマホ部品メーカーからすれば、本土スマホ大手が増産することによる収益貢献は大きく、その点を考えるとスマホ部品メーカーの株価は売られ過ぎといえそうだ。

 日本では村田製作所 (6981)をはじめ、一部のスマホ関連銘柄の株価が低迷しているが、ここにも影響が出て来る可能性は十分あるだろう。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。

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