FX(外国為替証拠金取引)トレーダーにとって、金利の高さから人気となっているトルコリラだが、トルコでは現在も戒厳令が敷かれている状況で、情勢不安を伝えるニュースも少なくない。そうした状況下でプロのトレーダーはトルコリラ円相場をどのように捉えているのか。FXのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、現在の情勢を踏まえて、中長期的な見解を語る。
* * *
先日、ある個人トレーダーの方からトルコリラ円相場のトレードについて、話を聞きました。
その方は、トルコリラ円でスワップ金利狙いの買いポジションを保有していたものの、トルコリラ円相場が1トルコリラ=28円台前半まで下落してきた段階で「これ以上下落したら大変だ」と思い、売りポジションを保有(両建て)した、というのです。
それを聞いて私は、「せっかく金利狙いでポジションを持っていて、持ち続けていれば1ポジションあたり年間約3万3000円の金利がつくのに、なぜ安易に売りポジションを持ってしまうのか?」と思いました。
「どこまで下落するか分からない」という不安な気持ちから両建てを選択してしまうのかもしれませんが、きちんと資金管理をした上でテクニカル分析ができていれば、そう不安になることもないはずです。
特にトルコリラ円相場の場合、買い玉に対してしっかり金利がつくので、資金管理を徹底した後は、慌てず待っていれば良いと私は考えています。