低賃金の方が得
ちなみに「高年齢雇用継続給付金」とは、定年後の再雇用で給料が大きく下がったときに雇用保険から支給される“補助金”で、これも賃金の値下がり率が大きいBさんの方が多い。
現在の税制や年金制度は「のんびり働き、収入も少しでいい」という高齢者の方がはるかに金銭的に得をする。バリバリ働いているAさんが報われず、稼ぎを全部搾り取られる罠にはまって「働き損」になっていることがわかる。
それでも政府が「働き方改革」で「死ぬまで稼げ」と奨励するのは、高齢者をどんどん罠に突き落として全部搾り取るためだとしか考えられない。
そうであれば、高齢者は最も有利な選択をすればいい。年金額が月額10万円の人なら、月給18万円分までしか働かない。そうすれば、理不尽に年金を減額されることはなく、給料と年金二重取りのメリットを最大限に享受することができる。「働かない改革」という選択肢もあるのだ。
※週刊ポスト2018年3月16日号