「フードロス削減」に日本気象協会も貢献
三越伊勢丹も一風変わった取り組みを発表したばかり。3月7~20日まで伊勢丹新宿店で開催される「エシカルシーフードチャレンジ」がそれだ。
大きさや形の不具合から通常は廃棄処分となる魚介類を使った商品を提供する試みで、今回はホタテと牡蠣を用いた「シーフードフランク」(864円税込み)が提供される。
発案者は食と環境問題をテーマにするベンチャー企業のdot science株式会社。商品は同社に加え、三陸地方の漁業チーム「フィッシャーマンジャパン」と鈴廣蒲鉾本店、三越伊勢丹の4団体で共同開発した。レシピ監修を務めた東京白金台のフレンチレストラン「TIRPSE」の田村浩二シェフが語る。
「私自身、生産者を回っている中で、フードロス問題の深刻さは肌で感じていました。うちのレストランでも、魚の頭までだしで使うとか、野菜の屑も捨てずにまかないにするなどの試みを実践していましたが、お店だけだとなかなかフードロスの認知が広がっていかない。そこで今回のプロジェクトに繋がりました。
ホタテと牡蠣を選んだ理由は、この2種がとくにロスが多いからです。ホタテなんて、味は変わらないのに、殻が欠けているだけでも市場に出せなかったりしますから」
フランクの材料としては珍しい2種だが、「今までなかったものを新しく作り出したい」と、あえて挑戦した田村シェフ。製造にもとことんこだわった。
「ふっくらとジューシーな食感に仕上げたかったので、食材の配合は細心の注意を払っています。混ぜ合わせる比率や練り具合は徹底的にこだわり、満足のいく“ふっくら感”が出たと自負しています。加熱してあるのでそのまま食べられますが、しっかり焼き色をつけて、アツアツで食べていただくと、食材のうま味と香りが一層広がります」