これから上昇期待の日本株にはどのようなものがあるのか。日本インタビュ新聞社代表で経済評論家の犬丸正寛氏が注目する銘柄のひとつが、ユーグレナ(東証1部・2931)だ。以下、犬丸氏が解説する。
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今ひとつ評価の低いアベノミクスの成長戦略だが、目を凝らせば成果を挙げているものもある。その1つが再生医療分野の規制緩和だ。再生医療推進法制定や薬事法改正を行ない、再生医療等製品への早期承認制度が設けられた結果、遺伝子治療薬の早期実用化が可能となった。
その恩恵を最も受けているのがバイオ関連株である。新薬の早期実用化に伴い、研究開発費の早期回収ができることに加え、研究開発費自体を抑制することができるからだ。今後、業績が様変わりするバイオ企業が増えてくるだろう。
そうした中で、バイオテクノロジー企業として一躍脚光を浴びているのが、ユーグレナ(東証1部・2931)だ。同社は、食品および化粧品の素材として注目されていたミドリムシを、バイオフィルムなどの化成品、バイオ燃料として活用する研究を開始している。
足元の業績は絶好調。2015年9月期は大幅な増収増益。2016年9月期もさらなる業績拡大が予想されている。この好業績の要因は、ミドリムシ需要の急拡大だ。
今、微細藻類のスピルリナやミドリムシが「スーパーフード」として脚光を浴びている。スーパーフードとは、栄養・健康成分が一般の食品よりも突出して多く含まれる食品のことで、世界的なブームとなっている。サプリメントのように直接摂取するほか、料理の食材としても広く使われ始め、今後も需要拡大は続くだろう。
バイオ燃料事業も順調だ。いすゞ自動車との共同研究が進展し、通常のディーゼルエンジンで使える燃料を開発。また、羽田空港の近くに、ジェット機用のバイオ燃料の供給基地の建設も決まっている。このバイオ燃料事業が収益に寄与すれば、株価の上値は計り知れない。
※マネーポスト2016年新春号