中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

就活生の大きな誤解 「面接官=自分を落とそうとする敵」ではない

 学歴フィルタリングの問題が今年は再燃しておりますが、それはさておき、エントリー段階で一旦ふるいにかけ、会社説明会→面接という段階でもかなりの数が落とされる。ここまでは機械的にやっている面もありますが、面接に残った学生に対する企業の考え方は「この中から我々の仲間になってくれる人を見つけたい」というポジティブなものです。

面接は「減点方式」ではなく「加点方式」

 私も会社員時代は一次面接たるOB訪問(当時はリクルーター制度というものがあった)で年間70人ほどの学生と会っていましたが、質問をするたびに「なんとかキミの良い点を出してくれ!」と念じていた面があります。

 なんでこう思うかといえば、私による評価は他のリクルーター及び人事に筒抜けだからです。どう考えても我が社に合わない、ないしは無能な学生に高評価をつけてしまえば私が「人を見る目のないヤツ」扱いされるのは間違いありません。また、次のステップである「人事面接」を通過するような学生を私の段階で通したのであれば、私の目利き力も評価されます。だからこそ、面接をする側も、自分の評価のために必死に優秀な学生を次のステップに送り込もうとするわけです。

 そして、次のステップに送り込んだ側の心境としては「なんとかお前、次の面接も通ってくれ!」というものになります。だって次の面接をした先輩社員から「お前が推していた山田ってヤツ、あいつ、ホント、使えなそうなバカっぽいヤツだったな。お前、何見てたのw」なんて言われたら私も恥をかくわけですよ。

 実際問題として、人事部としては「今年は50人」といった形で採用目標があります。最終面接で採用の可否を決める役員から「今年の受験者は優秀なヤツ勢ぞろいだったじゃないか。選ぶのに苦労したよ。キミらも頑張ったね」なんて言われたいものです。自分が最終面接に送り込んだ学生全員に対して「頼む、お前、今までの面接通りにやってくれ。役員だから、最終面接だからってビビらないでくれ!」と祈るような気持ちでいるのです。

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