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乗らない親の車に注意、死後の廃車手続きは面倒で手間がかかる

高齢者の車とお金にまつわる問題をどう解決するか

 親が持つ資産のなかで「家」に次いで処分に困ることが多いのが、「車」である。だが、もしもう親が乗らないのであれば、生前に売却しておくか、廃車にしておくことが重要である。

 親の死後に廃車手続きをしようとすると、「相続財産」として扱われ、名義変更などもしなければいけないため、法定相続人全員の印鑑証明と押印や戸籍謄本が必要であるなど、かなり手間がかかるためだ。

 生前であれば、それらの書類も必要なく、2万~3万円の費用で処分できる。

 だが、高齢者の車に付きまとうのは金銭と手間の問題だけではない。警察庁の統計(2017年度)で年齢層別免許保有者の事故率を見ると75歳以上が突出して高い。高齢ドライバーの事故増加が社会問題となっている昨今、75歳を超えた親に車を運転させるのは心配な人も多いだろう。

 地方では車が必須かもしれないが、タクシーを使う手もある。軽自動車であっても、車の維持費には、税金や保険代、車検代、ガソリン代などで年間30万~40万円かかるとされている。タクシーなら、週に3000円程度の利用なら、年間で約14万円で、車の維持費の半額以下で済むのだ。

 免許返納と車の処分を同時に促すことで、お金と安心感、両方を手にすることができる。

※週刊ポスト2018年3月23・30日号

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