秋に来て堅調な推移が続いている日本株だが、来年前半までは力強い値動きが続くと予想しているのは、グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役・戸松信博氏だ。戸松氏は、年末にかけて日経平均1万6000~1万7000円までの上昇も想定しているが、それでは値上がり期待の個別銘柄は何か。以下、戸松氏が解説する。
* * *
相場全体の上昇が見込めるなら、個別銘柄にはそれを上回る値動きが期待できるのはいうまでもない。最も大きく株価を押し上げる材料といえば、やはり業績である。特にその変化率が大きければ大きいほど株価に反映される可能性は高まる。
そこで注目したいのが、現在の業績見通しではなく、事前の予想を上回る上方修正が期待できる銘柄、すなわち「業績上ブレ期待銘柄」である。
たとえば第2四半期までの業績が通期予想の50%を大きく超えているような企業なら、上方修正は十分に望める。そこで今回は、通期の純利益予想に対し、期中でどれだけ達成できているかという「純利益達成率」を軸に、今後も高成長が見込めるようなテーマ性を併せ持ち、さらなる業績の伸びが期待できる銘柄をピックアップした。
その中でも注目の銘柄が、ワールドホールディングス(ジャスダック・2429)だ。製造派遣・業務請負、不動産事業、携帯ショップ事業などを手がける同社の魅力は2つある。
ひとつは、人材流動化や不動産市況の活性化といったアベノミクスによる景気拡大の好影響を大きく享受できる点だ。業績も好調で、2014年12月期上半期は売上高が17.6%増の340億2300万円、営業利益が58.1%増の18億2400万円、経常利益が51.6%増の17億9500万円、純利益に至っては86.1%増の9億7600万円。これに対して、通期の純利益予想は12億100万円であり、上半期時点の達成率は81%と上方修正の可能性は極めて高いといえるだろう。
もうひとつは、今後数年にわたり大きな業績拡大が期待できる点が挙げられる。同社は2016年12月期に売上高1001億円、営業利益50億1900万円となる中期経営計画を掲げている。特に不動産事業の伸びが顕著で、同事業のセグメント利益は2013年12月期の4.8倍にまで膨らむ見込みだという。
仮に計画が達成され、営業利益の伸び率に比例してEPS(1株当たり利益)が伸びたとすると、予想PER(株価収益率)は6.6倍となる見通しだ。これに対し、2013年12月期の実績EPSから計算すると、2014年7月末のPERは21倍。2年後に計画を達成し、PERが21倍まで上がっていると考えれば、株価は今後2年で3.2倍になる計算が成り立つ。
※マネーポスト2014年秋号