老後に必要なお金は人によって異なる。下流老人に陥ることなく「中流シニア」を目指すためには、まずは「出ていくお金」を把握することが先決となる。とはいえ、定年後に収入が大きく減る中で、少しでも貯蓄を増やしたいというのは誰しも思うこと。それでも、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは「下手に高い目標を作らないで」とアドバイスする。
「高い目標を達成しようと投資に走ってお金を増やそうとする人がいますが、貯蓄が少ない人にはリスクが高いです。生活に余裕がないのに投資や運用をするのは絶対にNG。お金は簡単には増えません」
ハイリスク&ハイリターンの投資は避けて、定期預金で着実に貯めるのが正解だという。
「おすすめなのは、口座から毎月一定額が引き落とされて、ネット銀行に移動する定額自動入金サービスですね。給与や年金の振込をしている銀行で積み立てるのもいいですが、ソニー銀行や住信SBIネット銀行は、他行の口座からも自動的に手数料無料で引き落として、移動してくれるサービスがあります。利率も少し高めに設定されていますよ」
積み立てる金額は、決して背伸びしすぎないこと。
「貯金を頑張ろうとあれこれ考えるより、家計の限界額を知って、それに合わせた生活を考えましょう」
ローン返済完了や年金支給開始などで、還暦前後は家計の収入・支出が大きく変わる節目となる。そんな時だからこそ、無理をしすぎないことが「中流シニア」を目指すカギとなるのだろう。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号