株主優待の定番といえば飛行機の運賃割引券があるが、割引率は各社で異なるため注意が必要だ。経済アナリスト・森永卓郎氏が、航空会社を筆頭とする「乗り物系」株主優待の注目銘柄について解説する。
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乗り物系では、全国への出張などで飛行機に乗る機会の多い人は、日本航空(JAL)よりANAホールディングスの方が有利だと思います。単元株保有で国内路線片道1区間の50%割引券が、ANAは年間2枚もらえるのに対して、JALは単元株保有では1枚しかもらえない。
しかも、単元株を購入するための投資額は、ANAはJALの半分以下で済んでしまうのです。さらに、株主優待利用の予約でも、JALは予約がやや取りにくいのに対して、ANAの方は予約が取りやすいのでメリットが大きいといえます。
北九州空港を拠点とするスターフライヤーは、路線が限定されるデメリットはありますが、単元株(100株)保有で片道1区間の50%割引券が年間6枚もらえて非常にお得感があります。経営基盤を不安視する声はありますが、利用する機会がある人は勝負をかける選択肢は十分あると思います。
鉄道系で注目されるのは、東武鉄道です。東武動物公園の入園料無料券、東武ワールドスクウェアの入園料無料券、東武百貨店の買い物5%割引券、東武トラベルのツアー料金5%割引券などなど、とにかく一杯もらえるので利益実感が非常に高いのです。
※マネーポスト2014年秋号