慶應に大学から入った男性には「な~んだ」
私を含め、当時仲が良かった同級生たちは、大学も「お嬢様系」として知られる女子大に進学しました。周りには大学から「お嬢様大学」に入ってきた“エセお嬢様”(実際、そう呼ばれていた)と、内部進学の生粋のお嬢様とがいました。生粋お嬢様は内部生だけで固まり、エセお嬢様を品定めしていたのが実情です。
「あの子さ、いつもプラダのバッグだしお財布もシャネル、靴もルブタンだし、かわいいよね!」
「仲良くなってみたけど、田舎あがりじゃん。頑張ってるけど、若干うざいよね」
そんな会話が内部生の中だけで繰り広げられるのです。そんなお嬢様大学の中で、特にマウンティング合戦が激しくなるのは、彼氏の大学でした。
「慶應法学部の◯◯くんと付き合い始めた」
「え、あの◯◯くんて幼稚舎? 中等部?」
「いや大学から」
「な~んだ」
慶應もピンキリなのです。幼稚舎からはサラブレッド。中等部からは偏差値は高い。大学から入ってきたのなんて、いくらでもいる、むしろ幼稚舎組に比べたら慶應にカウントされなかったりしていました。
今でもよく覚えているのですが、東大や慶應のお坊ちゃまとばかり交流する、その名も慶子は「私は奢ってもらったことしかない。奢らないなんて男じゃない!」が口癖でした。そんな慶子は、同じサークルの美里に上智の彼氏ができたとき、プリクラを見てこう言いました。
「ねぇ、イケメンでもなくて、上智で、なに? 金払いいいの? 付き合うなら東大でしょ。美里さー、かわいいんだから、上智とかやめなよ」
そんなことを言って美里を怒らせたのです。慶子はしょっちゅう、こうも言っていました。