問題は知的財産侵害に関する制裁措置である。トランプ政権は22日、中国が知的財産権を侵害しているとして米通商法301条に基づき制裁措置を行うと発表、最大で600億ドル相当、ハイテク電子製品など1300品目に関税が課せられる見込みとなった。
「中国は、“恐れず、逃げない”」
こうしたアメリカの措置に対して、中国商務部は23日、WTO保障措置協定に基づき、アメリカにおける鉄鋼、アルミ製品に関する通商拡大法232条措置に対する中止・譲歩を迫るための製品詳細リストを発表した。
トランプ政権は少々中国を甘く見ていたかもしれない。26日、新華社が報じたとして各社が一斉に同じ情報を配信している。その内容は以下の通りである。
「もし、アメリカが貿易戦争をどうしても仕掛けるというのであれば、中国はただそれに付き合うしかない。自身の合法的権益が傷つけられるようなことを座視することは絶対にない。いかなる国家も中国経済が日増しに適応能力、防御力、反撃力を強めているといことを過小評価すべきではない。中国商務部は対抗措置として既にアメリカからの輸入品制限品目を発表した。関連する商品の中国からアメリカへの輸出額は30億ドルである。これは単なる警告に過ぎない。中国は、“恐れず、逃げない”といった明確な信号を発しており、もし、必要ならば、中国は当然、新たな反撃措置を講じることができる」
中国は、米国債を売り浴びせることも含め、あらゆる手段を使って戦うつもりであろう。この問題がより深刻化するのか、それとも収束するのかはトランプ政権の今後の出方次第である。