住まい・不動産

住みたい街ランキング急上昇の「津田沼」 その魅力と不安要素

津田沼駅近辺にはライバルが多すぎる

 確かに津田沼の駅前は栄えています。北口にはイオンモールやイトーヨーカドー、パルコが、南口にはモリシア津田沼(かつての「サンペデック」)があり、家電量販店、都銀や地銀の支店も一通り揃っています。長年農地だった駅の西側も「奏の杜」という名前で開発が進み、すっかり雰囲気が変わりました。駅の真ん前には千葉工業大学があり、学生の姿も絶えません。南口には44階建てのタワマンも建設中です。しかし津田沼は、今が“最高値”の街かもしれない、という指摘もあります。

 第一に津田沼近辺にはライバルが多すぎます。総武線ユーザーは、買い物をするなら船橋か千葉という選択肢が有力でしょうし、海浜幕張には巨大なイオンモールや三井アウトレットパークが、南船橋にもこれまた巨大なららぽーとやIKEAがあります。津田沼駅近辺の再開発には限界がありますが、湾岸地区の海浜幕張や南船橋付近は、その気になれば土地がまだまだ残っています。

 乗り入れている路線の状況もあります。津田沼駅と東京駅は総武線快速で30分弱しかかかりませんが、さらに新京成に乗り換える人も多いはず。かつては都心部のベッドタウンとして栄えた新京成沿線ですが、人口減少に転じたいま、都心部から30~40km圏の新京成の乗降客数が今後大きく増えるとは思えません。

 ピカピカのマンションが広がる「奏の杜」はニューファミリーには魅力的でしょうが、歴史ある「谷津」という地名を捨てたことで、地元住民との軋轢も生まれました。住みたい街ランキングでは急上昇した津田沼ですが、今後もこのペースで上昇が続くかは未知数なところでしょう。

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