利用者保護の観点から何より重要なことは、交換業者の事業姿勢や管理体制がしっかりしたものとなり、個人投資家が安心・安全に取引できる環境が整うことだ。したがって、そのための規制強化は必要不可欠といえる。規制強化はネガティブな要因と捉えられがちだが、利用者保護などを考慮すると中長期的には仮想通貨市場にポジティブな材料と考えられるだろう。
今もまだ詐欺的な話などが横行する状況下で、最低限のルールは必要だ。当局による規制強化や自主規制団体の誕生は、決して売り材料ではないことを意識しておきたい。
規制強化によって、急激に乱高下するような動きではなく、じりじり上昇するような価格形成が見られれば、仮想通貨市場も落ち着きを取り戻し、新たな投資家の参戦が期待できる。明確な投資尺度が存在しない仮想通貨市場では、投資家のモメンタムが何より重要視される。乱高下を好む投資家がいることは十分理解しているが、新たな投資家を呼ぶためには過度な動きは避けたいところだ。
ほどほどのボラティリティ(変動率)と良好な投資家のモメンタムが共存していれば、仮想通貨市場は緩やかな拡大・成長を続けると考えている。