おおたけ消化器内科クリニックの大竹真一郎院長も注意を促す。
「降圧剤を処方するのは、血圧を下げるのが目的ではなく、将来的に血管の病気である心筋梗塞、脳卒中といった命に関わる病気を起こすのを予防するため。
こうした病気を予防する効果は10~20年先まで見ないとわからず、新薬創出加算から外された降圧剤は血圧を下げる効果は高くても、将来の心筋梗塞を予防できるかはまだわからない。古い薬のほうが情報が多いので、メリット・デメリットを考える必要があります」
そもそも、安くなったことをかかりつけ医が教えてくれるかは疑問だというのは、薬剤師の深井良祐氏だ。
「今回の薬価改定に周知義務もないので聞かれたら答えるというスタンスの医者が多いと思います。
類似薬の値段が下がったとしても、それに切り替えようなどと提案するのは相当意識の高い医者で、大多数の医者は気にしないはず。自分の病気に関わる薬が値下げされたら、医者に相談してみたらいいのではないか」
この流れを、単なる医療費の削減ではなく、患者にとって意味あるものにしていきたい。
※週刊ポスト2018年4月13日号