そうしたことからも、すでに3月の優待銘柄は一相場を終えたといえ、長期保有される人気銘柄は高値圏にあり、売られた銘柄は株価水準の判断がしづらい状況となっている。
3月の優待銘柄のうち、クオカードがもらえることで人気の東洋ビジネスエンジニアリング(東証1部・4828)はその典型だ。
2017年3月1日の始値は1569円で、優待目当ての買いも入り、3月17日には1720円まで10%ほど上昇した。ところが、株主優待の権利が確定する3月28日前後から下がり、4月7日には1580円まで下落した。
一方、4月に優待がもらえる東建コーポレーション(東証1部・1766)の1年前の株価を見てみると、2017年4月3日の始値8750円から、株主優待の権利が獲得できる4月25日の終値8940円まで穏やかな上昇を記録している。権利が確定した翌日はやや下落したものの、直後からすぐに上がり始め、昨夏には2倍近くの1万6000円に迫る勢いで上昇。現在はその高値から調整しているものの、1万770円とこの1年で若干のプラスを維持しているのだ。
一口に「優待銘柄」といっても、“オフシーズン”の4月以降の権利確定銘柄には値上がり益が狙える「掘り出し物」も見つかりやすいといえる。
※週刊ポスト2018年4月20日号