同じ病院ならカルテを共有
また、2科目以降の診断が1科目で判明した疾病と関連していれば、初診料は1科目分だけで済む。たとえば糖尿病の疑いで内科を受診した際の検査で糖尿病網膜症が発覚して眼科にかかる場合、眼科の初診料は不要となる。
このようにコスト面は「同じ病院」だと安く抑えられるが、「疾患ごとの専門医に診てもらったほうが安心」との考え方もあるだろう。だが医師で医療ジャーナリストの森田豊氏はその見方に否定的だ。
「信頼できる専門医がいるなら、別々の受診が良いと思います。しかしそうでないなら、1つの医療機関で診てもらうことでより質の高い医療が受けられるケースもあります。
現在は同じ医療機関なら科が違ってもカルテを共有することが多く、医師が連携することができます。たとえば糖尿病を代謝内科、高血圧を循環器内科でまとめて診てもらえば、医師が治療内容や食事指導などの情報を共有することで質の高い医療を受けることが可能になる。別の疾患を早期発見できる可能性も高まる。別々の病院ではそうした連携が難しい」
病院選びは「分散型」より「集中型」のほうがメリットは大きそうだ。
※週刊ポスト2018年4月20日号