そのほか、中国に偏在するレアアースも、様々な電子部品に欠かせないもので、これを輸入制限されると、アメリカの兵器産業は大きなダメージを受ける。
こうしてみると、中国にはアメリカに対して取りうる政策がいくらでもある。見方を変えれば、アメリカと中国の経済は、非常に密接に結びついてしまっており、簡単にその関係を解消などできないということである。
トランプ大統領の保護貿易政策は、そうしたジレンマを抱えているのだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。