呼ばれたお家は、思っていた以上に大きな豪邸。リビングの片隅には、100本は軽く入りそうなワインセラーが。すでに寿司職人さんが、大きな保冷ケースを前に手際よくセッティングを始めています。
部屋に入った晴香さん、さっそく聞きました。
「え? リビング広い! 何平米ですか? 何LDKですか?」「え、ワインすごい! お好きなんですか?」「庭キレイ! どなたが手入れしているんですか? お手伝いさんいるんですか?」「旦那さん頑張ってますね! 何されてるんですか? うちの旦那くんにも頑張ってもらわなきゃ」
由梨さんは質問を総スルーして、「まあ、夫に何かあったらこの家を潔く売って、私と子供は田舎でも引っ込むわ」と笑い飛ばしました。
手土産は私がケーキ、幸子さんはお子さん向けのおもちゃや絵本を数冊。旦那くん自慢をする晴香さんは、「旦那くんてお客さんからたくさん頂き物するんですよ、飲みきれないから」と謎の前置きをしてお酒を渡しました。
幸子さんと由梨さんは仲が良く、会話の流れで幸子さんのご主人はベンチャー起業家で、前の会社が成功して株式を売却、資産は10数億円らしいことがわかりました。由梨さんのご主人も、ある機械の特許を取って成功した方らしく、2人とも桁違いでした。うちの夫は(晴香さんの夫も)外資系金融で、世間的に見ればお金に余裕があるほうですが、あくまで雇われの身。レベルが違います。
そこで晴香さんの目の色が変わりました。そして、マウンティングしていた幸子さんに手のひら返し、少しぶりっこ口調の猫なで声になって、「私もぉ、ゆくゆくはお二人みたいな家庭を目指したくて~。今は旦那くん踏ん張りどきだからぁ」。