3月1日に、トランプ米国大統領が、鉄鋼とアルミニウムに対して、輸入関税を課すことを発表した。このニュースを材料に、米国株式市場が下落し、外国為替市場では、「リスク・オフ(リスク回避)」の思惑が強くなり、その結果として、「円買い」に強く反応した。
豪ドル/円のチャートを見ると、このニュース(米国の輸入関税)の発表後に、「豪ドル売り円買い」が進み、それまで、83円台、84円台程度に推移していた豪ドル/円は、81.50アラウンドに急落した。
81円台ミドルの安値を付けてからは、いったん大きく急反発(急上昇)し、84円台にまでリバウンドしている。トランプ米国大統領の輸入制限に対して、楽観的な雰囲気が広がり、米国株式市場が持ち直したからだ。
しかし、この輸入制限が、米中の貿易戦争に拡大する懸念が出ると、再び「豪ドル売り円買い」が進んで、再度、安値を更新して、3月下旬に、豪ドル/円は、80円台を付けた。3月下旬に80円台を付けてからは、安値圏で上下動を繰り返した豪ドル/円だが、習近平主席が、米国に歩み寄る姿勢を見せると、4月中旬になって83円台を回復している。
何らの具体策が示されている訳ではない
豪ドル/円の値動きに関しては、上記の通りだが、米中の対応を、もう少し詳しく述べてみよう。