話題の株主優待の最新情報をお届けする「優待四季報」。2015年冬の新設情報と拡充情報から注目ピックアップする。
クオカードや図書券などの金券は、以前から投資家はもとより、企業からも人気の高い優待品だ。ここへきて、VOYAGE GROUPでは自社サイトでアマゾンギフト券や、各種電子マネーやマイルなどと交換可能なペックスに換えられるギフトコードの優待を新設した。
ここまで使い道の広いポイントは、現金配当に近い価値があると考えていいだろう。しかも優待には課税されないので、配当で受け取るより有利となる。富山銀行もセブンイレブンやデニーズで使えるセブンプリカの優待を新設するなど、金券のバリエーションは広がっている。
また、クリエイト・レストランツ・ホールディングスや東和フードサービスなど、前回の優待拡充から株価が大きく値上がりした外食が、株式分割で優待を得やすくなるケースも目立った。
一方で、優待獲得の要件として一定期間以上の長期保有を課したり、長期保有特典を設ける企業も増えてきた。優待を渡り歩く投資家には厳しい環境だが、気に入った企業に長く投資する人にとってはむしろ朗報だ。
以下、主な新設、拡充優待を紹介しよう。
【新設】
●VOYAGE GROUP（東証1部・3688）
メディア向け広告配信事業を展開。各種電子マネーと交換できるペックスやアマゾンギフト券などと引き換えられるギフトコードの優待を新設。
【優待内容】100株以上：ギフピーで利用できるギフトコード1000円分（3月末、9月末、年2回）
●神戸物産（東証1部・3038）
「業務スーパー」を展開。2015年11月の株式分割に合わせ、自社グループ商品の優待を新設した。
【優待内容】100株以上500株未満：3000円相当の自社グループ商品 500株以上1000株未満：同1万円相当 1000株以上：同1万5000円相当（10月末、年1回）
【拡充】
●ホットランド（東証1部・3196）
たこ焼きの「築地銀だこ」などを展開。2015年9月の株式分割により従来の半分の投資で優待を得られるように。
【優待内容】100株以上500株未満：自社店舗で利用できる優待券1000円分 500株以上1000株未満：同5000円分 1000株以上：同1万円分（12月末、6月末、年2回）
●明治ホールディングス（東証1部・2269）
2015年10月の株式分割に伴い、従来の半分の投資で自社製品詰め合わせの優待を得られるようになった。
【優待内容】100株以上500株未満：2000円相当の自社製品詰め合わせ 500株以上1000株未満：同3500円相当 1000株以上：同5000円相当（3月末、年1回）
■文／森田悦子（ファイナンシャルプランナー・ライター）
※マネーポスト2016年新春号
