4月17~18日にフロリダで開催された日米首脳会談の評価は、日本にとってせいぜい30点程度で、とても合格点には届きそうにない。訪米前の安倍晋三首相は、今回の日米首脳会談に期するものがあったに違いない。国内では多くの問題を抱えているからだ。
「森友問題」「加計問題」「財務省の文書改ざん問題」「防衛省のイラク日報問題」「財務次官のセクハラ問題」── 一時期に、まとめてこれだけの問題を抱えている政権も珍しい。
ほとんどの問題について、「誰の責任なのか?」、そして「誰が、どのように責任を取って決着を付けるのか?」、それが明らかになっていない。事実の解明が不透明なままなので、いたずらに時間が経過して、落とし所が不明のままだ。
そのようなタイミングで日米首脳会談を迎えた。安倍首相は、上述の多くの問題を凌駕するほどの外交的な結果を求めて、首脳会談に臨んだと言えよう。今回の大きなテーマは、「北朝鮮問題」「日米貿易問題」の二つだ。
「北朝鮮問題」ではある程度の成果を得た、と言える。日米は共同して北朝鮮の非核化へ圧力を継続することを確認した。そして、トランプ大統領は6月上旬までに開催予定の米朝首脳会談で拉致問題を提起することを約束し、「日本のために最善となるよう、ベストを尽くす」と明言した。
北朝鮮の拉致問題の解決に向けて、トランプ大統領と約束できたことは、大きな前進と評価する。ただし、「北朝鮮問題」は日本が米国にお願いするだけで解決できるはずもない。