20年近くの長期スパンで見れば、世界経済全体として成長していることはデータからも明らかです。ただし、日本の東日本大震災のように地域ごとに変動要因があるから「分散」をすべきだし、2009年のように短期ではマイナスになることもあるので「長期」で運用すればリスクが少なくなることがわかります。また、マイナスになったときにも投資を続ける(積立)ことで、トータルの購入単価を低くすることもできます。そこからさらに長期で投資し続ければ、結果としてはプラスが見込めるということです。
「分散」については、地域(日本か、アメリカか、ヨーロッパか、アジアかなど)を分散させるだけでなく、「株」「債券」など資産の種類を分散する方法もあります。それは、経済成長がマイナスの時には債券価格が上がる傾向にあるからです。
このように、考え方の根拠を知ると投資に対する不安を解消できますし、経済ニュースを見ても「だから今後はどうなる、どうすべき」が見えてきます。この基本を押さえて、資産運用を行なってみてください。
◆しみず・あや/CFPR、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員I種。30歳でファイナンシャル・プランナーとして独立、長野・東京で活動中。主に30~40代の「普通のくらし」を求めている方への「自分がお客様の立場だったらどういう判断をするか」を軸にお金の持ち方・つかい方のアドバイスに力を入れている。ライフプラン作りから資産運用まで老後にわたる継続的なサポートすることを事業理念として活動している。HPはhttp://www.fp-saku.com/。