芸能界ではかねて、仕事を得たいグラビアアイドルや駆け出しの女優が自分の「体」を武器にして営業していると囁かれている。では、誘われる男性側はどう考えているのか。「プロ合コンコーチ」として多くの男女の恋愛事情を取材し、グラビアアイドルの営業事情にも詳しいアモーレ石上氏が、民放キー局のプロデューサーに聞いた。
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民放テレビ局の番組プロデューサーの田辺健太郎氏(40代、仮名)は、番組に起用するタレントのキャスティングにも大きな影響力を持っている人物だ。田辺氏に「枕営業は本当にあるのか」と問うた。
「確かに、あまり有望でない女性タレントを、テレビ局のプロデューサーの接待要員として活用する芸能事務所はあります。
ただ、“営業”される立場から言えば、あまり実績のないグラビアイドルやタレントを番組の核となる部分でいきなり起用できるかというと、難しい。20年前ならテレビ局も遊び心があったのですが、今の時代はたとえ深夜放送であっても視聴率至上主義。数字に繋がらない安易なキャスティングは困難なのが実情です」
加えて、最近はテレビ局でもコンプライアンス強化の流れがある。金銭問題、セクハラ、パワハラなどの問題には視聴者から多くの苦情が寄せられる。女性の枕営業に応じたうえで「いい仕事をくれなかった」と言われてネットなどにその事実を公表されれば、大きな問題になる。サラリーマンたるテレビ局社員にとっては、枕営業を受けることは「リスク」でしかないというのだ。田辺氏が続ける。
「仮に、売れていないグラビアアイドルを使うとすれば、再現ドラマのちょっとした役とか、番組の本筋に大きな影響のないところでしょうか。でも、そうしたチョイ役の人選に僕ら局員が絡むことはないですね。むしろ、現場を仕切っている番組制作会社のスタッフがそうした人選を進めるはずです」