人生100年時代が到来しようとする中、“長い人生”を想定すると、定年後に投資で資産を増やす選択肢を考えざるを得ない。注意したいのは投資で利益が出ると、その所得をもとに計算される「翌年の国民健康保険の保険料」が上がってしまうことだ。
金融機関で賢く手続きを踏んでおくと、そのリスクを避けられる場合がある。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が挙げるのは「少額投資非課税制度(NISA)」の利用だ。
「NISA口座で投資すれば、売却益や配当などが毎年120万円まで最長5年間非課税になり、国保の保険料も上がらない。今年1月から始まった『つみたてNISA』では年間40万円までと枠は小さいですが、20年間非課税となります」
NISAは“若者の老後資産形成”のためのものと認識されがちだが、人生100年時代を前提にすれば、60代からでも「投資の利益」と「保険料アップ回避」の2つのメリットを十分に享受するチャンスがある。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号