60歳以降の人生が長くなることは、何度も仕事を見つけるチャンスがあるとも言い換えられる。その「再就職」にあたっての“お祝い金”の存在を知っておきたい。失業給付の受給中に再就職が決まると「再就職手当」をもらえる場合がある。
「失業給付がもらえる日数が全体の3分の1以上残っているなど、一定の条件を満たしている時に給付が受けられます。算出条件は細かく決まっており、たとえば60歳で失業前の月収が35万円だった人が支給日数を90日残して再就職する場合、約26万5000円が支給されます」(社会保険労務士の稲毛由佳氏)
就職日(勤務開始日)の前日までにハローワークに「採用証明書」などを提出して就職の報告をする。条件に該当する人には「再就職手当支給申請書」が渡されるので、新しい勤め先に必要事項を記入してもらい、就職日の翌日から1か月以内にハローワークに提出する。その期間を過ぎると申請ができなくなるので注意が必要だ。
また、新しい仕事先での給与が前職の75%未満になった場合は、再就職手当の代わりに新しい給与の最大15%を「高年齢再就職給付金」として受け取ることもできる(60歳以上、65歳未満が対象)。
「60歳定年時の賃金が30万円で再就職後の新賃金が20万円の場合、月額1万6340円が最大2年間支給されます」(ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏)
ただし、失業保険の残日数が100日以上ないと対象とはならない。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号