中学受験が過熱の一途をたどり、中高一貫校では東大合格者数増加を謳い文句にする学校も少なくない。では、昔から東大に何十人も合格するようなウルトラ進学校の実態はいかなるものなのか。そのOB・OGたちに聞いた。
1学年160人程度という生徒数ながら、毎年、東大に100人前後の合格者を出す超進学校・筑波大附属駒場高校(東京)のOB・Aさん(30代)は、「特別考査」と呼ばれる校内テストのレベルの高さが印象的だったという。Aさんは高校から「筑駒」に入学した、いわゆる高入生。Aさん自身も現役で東大の文科III類に合格した秀才だが、学内テストでは見事に“玉砕”していたそうだ。
「とにかく数学のテストがムチャクチャ難しかったことを覚えています。私は学内テストの順位が60~70番でしたが、数学の点数は6点とか8点とか、1ケタをとることもしばしば。数学の自信はゼロでした。しかし東大受験では、数学は大問が4問出るのですが、ほとんど全部解けました」
これはすなわち、校内テストの問題の難易度が、東大の入試問題より遥かに高いということになろう。また、女子校では東大合格者数でダントツの桜蔭高校(東京)には、「1年で東大に2度受かった人」がいたという。OGのBさん(40代)がいう。
「まず前期で東大の理科I類に合格。併願で受験した慶応の医学部にも受かったため、東大を蹴って慶応に行くつもりでした。しかし後期で東大の理科III類に合格したため、結局そちらに進みました」