観光都市としての“高値安定”は続く見込み
川越の街並みは、一昔前の地方都市の雰囲気を残しています。駅前を貫くメインストリート「クレアモール」の両側には、途切れること無く様々なジャンルのお店が立ち並んでいて、若者を中心に常ににぎわっており、地場のデパート「丸広百貨店」も健在です。多くの地方都市は、郊外のロードサイドにできた巨大ショッピングモールに根こそぎ客を奪われ、駅前がもれなくシャッター商店街になるなか、いまだにこのような形態の街並みで成功しているケースは、全国的にもいくつもありません。
10月に行われる「川越まつり」では、山車が街を練り歩き、2日間で80万人もの人出があります。川越駅からクレアモール、本川越駅、蔵造りの街並みのあたりまで、端から端まで歩くには小一時間を要するほど、街中が観光客で埋め尽くされます。街にこれほど大きなお祭りがあるのは、市民にとって大きな誇りでしょう。
「小江戸」と呼ばれる街は、川越以外にも佐原(千葉)、栃木(栃木)、大多喜(千葉)などがありますが、都内からのアクセスや街の規模を考えると、川越にかなう街はありません。観光都市・川越の“高値安定”は続くものと見込まれます。
ブラブラしたくなるような元気な商店街があって、友人を案内できる名所もあり、近隣からも人を集める大きなお祭りがあるなら、それ以上を望むのは贅沢というもの。駅周辺にはルミネやアトレもあり、都内に出なくとも買い物は川越で十分事足ります。
2015年には、ライフルホームズが行った「首都圏“買って住みたい街”」ランキングで4位に入った川越ですが、家賃相場は5.54万円(ワンルーム・1K・1DK ライフルホームズ調べ)と、なかなかお手頃。観光客増による混雑が苦手でなければ、一度住んだら離れられない街になるかもしれません。