「金利+0.5%」の利回りで資産運用できるか
では、「繰り上げ返済」と「手元で資産運用」を比べた際、どれくらいの利回りで運用できれば得と言えるのでしょうか。
試算してみたところ、ローンの残り期間にかかわらず、住宅ローン金利2%以内の場合なら、「金利+0.5%」の利回りで資産運用できれば、繰り上げ返済より有利という結果になりました。たとえば住宅ローン金利が1.5%なら、「利回り2.0%以上」で運用できればいいということです。
たとえば、「当初借り入れ額3000万円、ローンの残り期間10年、ローン金利1.5%」の状態で100万円の繰り上げ返済をすると、総返済額は約15万円減ります。
一方、この100万円を繰り上げ返済せず10年間運用したとすると、運用益を積み上げた額はどうなるでしょうか。利回り1.5%なら12万円強、2%なら約17万円、2.5%なら約22万円の運用益になります(すべて、20.315%の税引き後)。
もちろん運用にはリスクも伴いますから、10年平均して2%以上の利回りを出すことは誰でもできることではありません。それでも、すでにご自身で運用をしている方なら、今後どれくらいの利回りを出せそうかイメージができると思いますし、投資信託の積み立て分散投資でも2%の利回りを出すことは可能でしょう。