企業概要
「出前注文をしたい人と店舗とを繋ぐ」プラットフォーム「出前館」を運営する企業で、出前市場で国内シェアトップを誇ります。主な収益源は注文に応じた手数料収入。この手数料は、売上の約7割、営業利益の約8割を構成する出前館事業売上の3分の2を占める同社の収益柱です。そしてこのオーダー手数料を構成する「オーダー数×アクティブユーザー数」の拡大が同社の利益成長のポイントとなります。そこで、特に注力しているのが、配送プラットフォームまで提供するシェアリングデリバリー。加盟店舗数の拡大と新市場(顧客)の開拓です。
加盟店舗数の拡大による商品拡充やリピート注文の獲得、新規顧客開拓の取組みを進めており、オーダー手数料の大幅な増加をもたらしています。
注目ポイント
18/8期は、子会社デリズの売却により売上高は5億円程度縮小することになり、またシステム増強や、テレビCMへの投資を強化するため、営業利益の伸びは小幅にとどまる見込みです。しかしながら主力の出前館では、シェアリングデリバリーへの注力により有力チェーンの加盟や拠点拡大など、トップラインの引き上がりが見込まれます。
18/8期上半期には、クーポンやリマインドメール等による「3回注文促進の施策」や子育て応援キャンペーン、ロイヤリティプログラムが奏功し、同社の収益力を決定するオーダー数の増加が確認できました。この成果を加味すると、下期以降もオーダー数の伸びが期待できると思われます。
シェアリングデリバリーは中期経営計画でも主力の成長戦略であり、3年間で10エリアから300エリアに拡大することが目標に掲げられています。配送拠点はASAを中心に広がっており、前年から13拠点拡大しています。配送拠点としては新たな収益源となるため、黒字化する拠点が増えることで、導入が活発化してくるでしょう。
さらに将来的には、構築した配送網を使って、食品以外も出前をしようとしており、将来性がとても高いと思います。
株価はそうした将来性を織り込みPERは160倍を超えています。市場でトップシェア、魅力的なビジネスモデル、ストックビジネスモデルによる将来の利益成長度の高さを考えると、この水準が高すぎるとは言いきれません。株価は前回の配信(2015/9月)から9倍近くに上昇しており、テンバガー確定一歩前となっています。2400円辺りで一旦の調整があるかもしれませんが、ここをさらに上抜いていくと、更なる上昇が見込めるかと思います。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。