アジアの金融センターと言われ、世界中から富裕層が集まっているシンガポール。ブランド品も飛ぶように売れているが、中でも人気なのは、ブランドのロゴが大きくあしらわれている商品だという。『シンガポールで見た日本の未来理想図』を上梓した、当地に住むファイナンシャル・プランナーの花輪陽子氏が、その理由を解説する。
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シンガポールの金融街ラッフルズプレイスで働くOLさんを見ていると、お笑いタレントの平野ノラさんのような外観でバブリーです。ワンレン、シャネルのバッグ、花柄など大柄で明るい色のボディコン。フェラガモなどのブランドのパンプスを履いている人も多いのです。
シンガポールとマレーシアの女性1000人を対象にしたアンケート調査によると、シンガ
ポーリアン女性の3分の2が毎月約10万円もデザイナーズブランドの靴の購入のため、予算を考えて貯金をしているそうです。
しかし大部分の靴が数回履くだけ、もしくは未使用のままというのが現実で、とにかく高級靴を手に入れたいようです。同調査によると女性が生涯靴にかけるお金は2000万円以上だといいます。シンガポーリアンの女性にとって、高級靴を履くことはステータスであり、成功や富の象徴なので、靴には命をかけるのです。
シンガポールでは、5月下旬頃から国をあげてのセール、グレートシンガポールセール(GSS)が行われます。その期間、フェラガモの店舗の前は平日の昼間でもOLの長蛇の列ができ、街には大きなショッピングバッグを両手に抱えた女性たちが目立ちます。
中華系が74%のシンガポールでは、とにかく「分かりやすい」ものが大人気です。瞬時にブランドや金額が分かる“ロゴモノ”が人気なのです。
中でもデザイナーズブランドの大きなロゴ入りTシャツはハイブランドの中でも手を出しやすく、かつ分かりやすいのでコスパが良い(安いわけではないのですが、投じたお金に対してマウンティング効果大)と好まれます。シンガポールでもアメリカでも売り切れになっているTシャツが日本にあるので買って来てほしいと頼まれたこともあるほどです。