実際にバブル世代は得られるはずだった利益を享受できなかったのか。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、バブル世代に該当する50~54歳の年収は約422万円。給与が高水準だった1950年代前半生まれのシラケ世代は60歳までの平均年収が436万円なので、バブル世代を14万円上回る。仮に44年働くとすると、年14万円の格差は616万円に達する。
厚労省の「就労条件総合調査」によると、シラケ世代の退職金は平均2280万円。バブル世代はまだ退職前だが、直近(2013年)の調査を見ると退職金の平均は1941万円だ。退職金は年々下がっているので、バブル世代の受け取る退職金は彼らより339万円以上少なくなると想定できる。
すなわち、生涯賃金でも退職金でもバブル世代の受け取る額は上の世代を下回る。合計で955万円の“逸失利益”があると考えられるのだ。バブルの華やかな時代を謳歌し、他の世代から妬まれるバブル世代だが失ったものは大きい。
※週刊ポスト2018年5月25日号