住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるもの。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「和光市」(埼玉県)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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今回紹介する「和光市」は、東武東上線と東京メトロが乗り入れる駅。都心から下りに乗ると、この駅から埼玉県に入ります。人口およそ8万人の埼玉県和光市に鉄道駅は1つしかなく、SUUMOの「関東 住みたい街ランキング2018」では、42位に入りました。
人気の理由は何と言っても鉄道アクセスの良さでしょう。池袋まで12分。2008年に副都心線が開通し、乗り入れ運転が始まったことで、新宿(新宿三丁目)や渋谷、横浜まで1本で行けるようになりました。新宿三丁目まで約25分、渋谷まで約30分ですから、十分に通勤通学圏内です。しかも朝のラッシュ時に当駅始発の電車がありますので、座って通勤することも可能です。
道路状況も良好です。駅をかすめるように東京外環自動車道が通っていて、都心に出ることなく観光地に向かうことができますし、川越街道(国道254号)、笹目通り~環八など、主要路線への移動もスムーズです。鉄道状況が良いのが売りの街ですが、周辺の郊外型ショッピングモールに足を伸ばすために、できれば車も欲しいところです。
コストパフォーマンスは極めて良い街だが……
鉄道アクセスが良く、道路状況も悪くないうえ、家賃相場は6.68万円(ワンルーム・1K・1DK ライフルホームズ調べ)と、お手頃です。同程度の家賃レベルの街は、武蔵小金井、日吉、鷺沼などですので、都心への通勤時間を比較すれば、そのオトクさは際立ちます。駅から少し離れれば、荒川河川敷や和光樹林公園などがあり、緑も豊富です。