また、高齢になるほど「骨」や「関節」が脆くなるため、ウォーキングやジョギングによって膝の軟骨をすり減らす可能性がある。国が推奨する階段昇降やスクワットも猫背の姿勢で行なうと、腰痛や腰の圧迫骨折、腰椎椎間板ヘルニアなどにつながりやすい。
健康のためにやっていたことが“不健康”につながり、さらに医療費という無駄な出費もかさむ。このように様々なリスクがある定年後の運動は、「強度」と「時間帯」が大切だと青柳氏が指摘する。
「どんな運動にせよ、『もう限界』という運動をした時の50%ほどの強度(中強度)で、1日20分程度行なうのがベストです。また朝の時間帯は体温が低く血液がドロドロで血栓が詰まりやすいため、夕方以降、体温が高い状態で体を動かすことを勧めます」
「適度な運動」が健康につながることは間違いないので、正しい知識を身につけたい。
※週刊ポスト2018年6月1日号