これから6月にかけ、私立中学の説明会がピークを迎える。教育の中身はもちろん、学校によって差がある学費や納付金の額も、我が子の志望校選びの参考にする人は多いだろう。私立中学にかかる費用は、学費など学校への納付金と受験までの塾代など準備費用を見積もっておけばいいと考える人も多いが、それだけでは後から慌てることになりかねない。都内の有名私立中学に女の子を通わせる母親の一人が語る。
「私立の学校では保護者の雰囲気が公立とまったく異なります。公立では普段着での出席が一般的である保護者会も、私立ではスーツかワンピースにパンプスといったきちんとした服装で出席するのが半ば常識。しかもこうした会合は年に何度もあるので、父親ならともかく母親がいつも同じ服では気まずいもの。季節ごとに複数パターンを用意しておくよう心がけています」
また、クラスや部活単位で、ママ同士のランチ会などの親睦イベントも頻繁に開催される。公立ならあっても地元のリーズナブルな店が会場になるものだが、私立では都心のワンランク上のレストランがセレクトされる傾向が強いという。
子供同士の付き合いにも、公立に比べて高くつく。同じ地域の子供が集まる公立と異なり、私立はさまざまな地域の生徒が電車通学している。休日や長期休暇中に子供同士で遊ぶにしても、都心の繁華街やレジャー施設、テーマパークなどに繰り出すことも多く、出費がかさみがちだ。
「うちの子供が通っている学校は、裕福な家庭の子が多い。そのためか、誕生日プレゼントや家族旅行のお土産などに、海外高級ブランドのハンドクリームなど、子供にしては高価なものを贈り合っています」(同前)